月別アーカイブ: 2023年5月

UCOM光レジデンスについての所感

先日小規模な新築マンションへ引っ越しをしたのですが、回線が一括加入系のUCOM光レジデンスLAN配線タイプでした。

入居開始直後から部屋に入ることができたので、引っ越しまでの間、部屋のLANに直結したノートパソコンを置いといて、30分毎に速度測定サイトを自動実行するSeleniumを仕掛けて速度はどんなもんじゃいというのを調べてみることにしました。

また、UCOM光レジデンスはConnectixというサービスもあって、対象の建物だったので導入前後の速度比較もやってみることにします。

なお、一括加入系の共用インターネットは設備の状況やマンションの規模、利用者数、宅内設備等多くの条件によって速度が変化するので、あくまで以下は私個人が経験した体験談としてすべてのUCOM光にあてはまることではないことをご承知おきください。

測定条件

建物:50戸以下の小規模集合住宅(首都圏)
タイプ:UCOM光レジデンス マンション全戸一括マルチタイプ 上下最大1Gbps LAN配線
マンション共用部まで1G、マンション共用部から居室まで1G
IP払い出し: プライベートIPをDHCP払い出し 20個まで
接続方法:LANコンセントに測定用PC(MU937)を有線直結
測定方法:30分毎に1回、速度測定サイトにアクセスし1時間毎の平均値をグラフにプロット
先にConnectix未契約状態でおおよそ1週間ほど計測。その後Connectix契約し速度測定。

Connectix未契約


日中はかなり快適ですが、19時から0時台にかけての速度低下はちょっとあからさまに下がっているように思います。このConnectix未契約のデータは建物の入居開始直後に取得したデータのため入居者数も少ないと思われ、Connectix未契約に対して帯域を絞っているんじゃないかと...

サンプル数は測定用PCの都合で日によって取得できなかった時間帯があり差があります。

Connectix契約後


Connectix契約後はどの時間帯でも安定した速度が出るようになっています。後ほど引っ越ししてメインPCを持ち込んだらどの時間帯でも900Mbps程出たため、ダウンロード速度はMU937のスペック不足の疑いが強いです。(引越し前に持ち込めるPCがこれしかなかった。上記グラフはすべてMU937で取得)

個人的な所感

インターネット環境にそれほど関心が無いユーザーを前提としたサービスで、速度の出る安定した環境を求める人にはConnectixによって帯域制限のキャップを外す、という棲み分けなのかなと思いましたが、人によってはマンション一括加入として全戸で同じ利用料を支払っているのに本来の性能に対して制限を加えて有料サービスに誘導していると感じる人もいるかもしれません。正直自分は値段なりのサービス品質だとは思うんですが、全体の帯域が逼迫した時がどうなるのか気になるところです。

あと、こういう挙動だと気になるのはConnectixを実現する仕組みや設備ですが、MDF内を開けてもらってハードウェア面を確認したところ、メディコンとルーターそれぞれギガビット対応のものが1つずつ入っており、物理的にはConnectix加入未加入も同じ設備・回線を利用していました。Connectix用の2つ目の回線が有るわけではなかったので、やってると思われるのはQoSや帯域制御等と思われ、過度な期待はしないほうがよさそうだなと思いました。引き込まれている線はアルテリアの専用線だったので接続先のアルテリア側の設備さえよければ、1Gbpsがしっかり出る設備かなと思います。

正直速度は300Mbps出れば十分速いと思っているので、固定GIPも取得できますし(/30切られて渡されます)マンション一括加入で安価に利用できる回線としてはかなり満足してます。
Connectix加入者が増えたらこの速度が落ちていくのか気になりますが、そういうときはルーターより上流をマルチギガにでも設備更新でもするんですかね?まあしないと思うんですが、2桁Mbpsになってから考えるようにします。

現在の簡易的なネットワーク図を貼っておきます。もう少し細かくしようと思うとMermaidはぐちゃってしまうので扱いにくいですね。
https://gist.github.com/depra95/d9fd85def582636d4efb89e01405147f